ケンタッキーはNG?海外クリスマス料理についての雑学
海外ではクリスマスなのにケンタッキーを食べている日本人に驚いています。仕方ないじゃないですか。日本では七面鳥はなかなか手に入らないのだから。七面鳥の代わりにケンタッキー、「恵方巻きの日に太巻きではなくおいなりさんを食べている」くらいの違和感を与えているのかもしれませんが、日本人なりに部屋でクリスマスを楽しもうとしているのですから大目に見てくださいな。
、、え?話が違う。そもそもクリスマスは七面鳥と誰が決めたんだ、ですって?
実はクリスマスと七面鳥は繋がっていません。クリスマスに七面鳥を食べる習慣は実は後世にアメリカ人が流行させてしまったものなのです。
七面鳥はアメリカ建国時代の貴重な食料源であり、多くの人の貴重な食料となったことから「縁起物」とされています。アメリカではクリスマスは勿論、感謝祭や結婚式などのお祝いの席で欠かせない食材とされています。縁起物という意味では日本でいう「鯛」の扱いに近いですね。あくまで縁起物であり、クリスマスとは全く関係がありません。
そしてクリスマスに縁起物である七面鳥を食べるという習慣がアメリカからヨーロッパに伝わり現在に至ったという訳ですので、当然世界各地で元々クリスマスに食されていた伝統料理は存在します。その料理はヨーロッパ中で見事にバラバラ。様々な食材で作られており、実はクリスマスのケンタッキーには飽きてきたという方には是非お試しいただきたいものばかりです。例えば・・・
チェコ:魚料理
「スマジェニー・カプル」という鯉のフライが伝統的です。まさかの魚料理ですがこの料理にはきちんとした由来があります。キリスト教の伝統で12月24日は肉を食べてはならない日とされており、チェコの人々は肉の代わりに川魚を食したとのこと。19世紀後半から鯉が安く買えるようになりクリスマスの日に鯉を食べることが定番となりました。ちなみにポーランドやチリなどもクリスマスイブにお肉を食べない習慣があるそうですよ。
スウェーデン:豚肉料理
「ユールシンカ」という、豚のお尻の部分などで作られる塩漬けされた豚のハムが定番です。オーブンで焼いた後に蜂蜜と卵黄を混ぜた粒マスタードで食べます。これは私たちの部屋でも再現がしやすそうですね。日本でも手に入りやすいブロックハムで作るユールシンカ風の料理レシピもネット上に幾つかありますよ!
またイギリスでは七面鳥が主流となりながらも、お祝いの場にお馴染みのローストビーフやサーモンを食べる家庭も多いのだとか。ジビエ料理に長けたフランスではなんとウサギ肉を使ったラパンというウサギのグリルを食べる家庭が多いとのこと。イタリアでは鰻が悪魔の化身とされているためにカピトーネ(雌の大きな鰻)を厄払いに食べるそうです。
こうしてみると本当に各国色とりどりですね。食材も実に多様ですし、七面鳥だけでなくこれらの伝統的なクリスマス料理も知っておくことでマンネリ化しやすいクリスマスのテーブルにアクセントを付けることができそうですよ!
尚、クリスマスに日本ではケンタッキーを食べるということに海外は驚いているという話は、七面鳥を基準に話を捉えてしまった故の誤解でしょう。七面鳥の代わりにチキンを食べていることに対して驚いているのではなく、ケンタッキーを食べていること自体に驚いていると言った方がより正確です。
ケンタッキーは彼らにとって日常食の1つであり、我々の目線に例えるのなら日々のおかずの唐揚げや焼き魚に近いポジションにあります。つまり華やかなパーティーの場で食べる類のものではないという面からの驚きです。
もし誕生日パーティーでアジの開きや秋刀魚の塩焼きをメインに卵焼きとお漬物とか並んでいたらとイメージしてみてください。そりゃ驚く訳だわ。