消せるボールペン議論~学校や社会で使える筆記具とは
裏のゴムでさっとこすると書いた文字が綺麗に消せると評判の消せるボールペン。書き味もこれまでになく滑らかに進化し、210円という手頃な値段を達成したことから大人気商品となりました。但しこの製品はインクが消えるという側面からメーカーからも「正式な書類への記入は控える旨」がリリースされています。公的書類や重要書類に書いて、後に消えてしまったら大惨事ですものね。
消せるボールペンはこの2社が有名です。
・パイロット社のフリクションシリーズ(PILOT FRIXION)
・三菱鉛筆のユニボールファントムシリーズ(FANTHOM)
主たる特徴として消し心地はフリクションがやや上、インクについてファントムシリーズはやや薄いとのこと。
またフリクションはノック式が発売されました。このノック式はさらに改良が加わりインクの量を調整することで書かれた文字の見易さと滑らかな書き心地を実現しています。いずれもペン後部のゴムでインクをこすることで発生する摩擦熱で書かれた文字などを消す仕組みです。
日常では問題ありませんが、ファントムは0℃、フリクションは-20℃で消したインクが元に戻る性質を持ちます。理論上は一度消しても復活します。逆にインクが消える温度は共に60~65℃以上となっています。余談ですが知人がこのペンで書かれたメモの上に焼きたてのピザのお皿を置いたところ見事にインクが消えてしまった等、ゴムでこすらずとも生活上のうっかりミスで消えることがあります。
このうっかりでも消える性質は覚えておく必要があります。やはり簡単なメモや重要でない書類でないと怖さがありますね。発注伝票など白紙に戻ってはいけない書類では使わないほうが良さそうです。学校で使うノートも消えたら困るものに分類すべきでしょう。真夏の炎天下の車内でも消えなかったという報告がネット上にありましたが、いざ試験前にページの半分以上消えていたりしたら目も当てられません。
さて、このボールペンを恋タメで取り扱う理由、ここまででお分かりでしょうか。異性に連絡先をさっとメモして渡す。このペンで書いた場合、淹れたてのコーヒーなんかをメモの上に置いたら見事消えます。
一度筆記具の見直しをしてみては如何でしょうか。消せるボールペンが普段使いに有用なことは判っていますから、あとは正式な場や長期保存用の書類向けの筆記具がもう一つあれば良いコンビになります。ちょっと見栄えの良いボールペンを持つことで年配の方からの評価が上がるということもありますしね。昔は良い筆記具を一生ものとして大事に使っていたものです。高級ボールペンは重心がしっかりとしていて自然な重量感があるので、書き味の違いに驚きますよ。紙の上を自然に滑る印象があり、長時間ペンを持つ方は手放せなくなります。そんなペンとの出会いを探しに、たまには文房具屋でのんびり自分に合った道具を探してみるのも一興ですね。
今日のこぼれ話。
業種にもよりますが、公的文書などで黒または青のボールペンで記入とありますが、この青がOKという豆知識。これは諸説ありますのでまとめてみました。
・黒インク自体、厳密には青が混ざっていて経年劣化で古い文字は青に徐々に変化するため
・昔貿易取引において商品荷為替の正式原本に青色のボールペンまたは万年筆が使われた名残
・世界では主流であり最も正式とされる万年筆が青系インクだから
尚、こんな話もあります。青色ボールペンはやはりNGではないかという談話や特定の業界について
・昔のコピー機では青色がコピーできないため、記入は黒でと暗黙の了解が出来た
・証券業界では炭素(カーボン)含有と明記されている株式用の黒インクペンしか使えない
現在では一般的には黒を選ぶので問題は無さそうですね。尚、ボールペンでの記入が認められるのは保存期間が数ヶ月から数年の略式書類に限られるとのこと。重要な契約書等においては長期的に保存が可能なカーボンインクのペン(万年筆のインクはカーボン含有です)を用いることが常識となっています。