【Tea Break】義理チョコは何故生まれた?
日本の人々を様々な形で苦しめる義理チョコ。女性からすれば面倒な上に金銭的にも負担がかかり、男性からすれば貰えなければ悲しく、貰い過ぎればお返しという名のプレッシャーが待ち受けるという全く厄介な代物です。
この義理チョコについて起源を調べていたのですが、結論から言いますとはっきりしたことがわかっていないようです。それなのに何故こんなにも浸透してしまったのでしょうか。
元々バレンタインデーにチョコを贈る習慣はなく、1960年頃よりに神戸モロゾフや森永製菓、伊勢丹にソニープラザなどがバレンタインデーにチョコレートを贈ろうというキャンペーンを行ったことからチョコとの結びつきは菓子業界などの商業意図によるものとされています。ちなみにこの頃はキャンペーンは失敗続きだったとか。
1970年代に入り、愛する者同士のイベントであったバレンタインデーに変化が起こります。そもそも夫婦やカップル間のイベントだった筈が「好きな人に気持ちを伝える」という現在の形にシフトし始めたのです。この頃同時にバレンタインデーが小学校高学年から高校生の間で流行、低年齢層でも入手しやすいチョコレートがバレンタインデーと本格的に結びついた要因の1つではないかとされています。
そしてこちらは筆者の推測となりますが、低年齢層は告白や恋愛をとても恥ずかしがるもの。付き合う前の段階の場合、好きな人1人だけにチョコを贈るのではなく、普段仲の良いグループ全員に友情と親愛の証として渡すなら心理的な抵抗もぐっと下がり渡しやすくなります。
義理チョコが登場するのは1980年代前半とされているのですが、この頃に周囲に好きな人がばれにくいようチョコを複数名に配り煙幕を張るというテクニックの副産物として義理チョコの存在が生まれてしまったのではないかと。
なんにせよ男性も女性も面倒と感じることの多い義理チョコ。由来がわからないものをいつまでも追いかけるのも如何なものでしょうか。義理チョコで喜ぶのはメーカーや小売店ばかりだという声には頷くばかりです。