カルテ4 忙しい!
年の瀬も迫ったこの時期、忙しさもピークかと思われます。
しかし、その忙しさを理由に配慮を怠っていると相手の気持ちが離れていってしまうことも・・・。
道行く誰もがせわしなく感じられる師走の初旬。
それは患者(ともあきさん 27歳 出版社勤務)も例外ではなかった。
年内に終わらせなければならない仕事が山のように存在し、連日連夜の残業続き。
それだけでは間に合わず、ここ数週は休日出勤をもこなしていた。
一つの仕事を終わらせても新たな問題が次から次へと浮かび上がる。
その様子はまるで終わりのないマラソンを走る孤独なランナーのようであった・・・。
ある日、患者が会社で仕事をしている最中、
夏頃からメールのやり取りをしている女性から着信が入る。
こんにちはー
今年も12月になっちゃいましたねぇ
早い早い(^^;
今年はどんな年でしたか?
ともあきさんは来年の目標とかってあるんですか~?
この時期にありがちな当たり障りのない話題。
いつもならばすぐに返信をする患者だが、
この時は作業中の仕事を早めに終わらせてしまいたかった。
メールの内容を確認するだけに止め、携帯電話を閉る。
『終わったら返信しよう』
そう思ったのである。
しかし、その後も仕事は雪崩のように押し寄せる。
そうこうしている内に『返信しなければ』という意識が薄れて行き、
会社を出る頃にはキレイさっぱり忘れてしまっていた。
翌日、出勤途中の電車で昨日のメールに返信していないことを思い出した患者。
しかし、丸一日経ってしまった事でどうしても返信する気力に欠けている。
少し考えた後、患者は当たり障りの無い内容を打ち込み、返信を終える。
ん~、今年は忙しい年だったかなぁ
来年はしっかり予定をたてて行動したいね
さて、今日も仕事が山積みである。
午前中の業務を終え、社内食堂で昼食を取る患者。
日替わり定食を半分ほど胃に放り込んだ辺りで携帯に着信が入る。
昨日の子からのメールだった。
忙しいんですか・・
お仕事頑張ってくださいね
忙しいです、今日も頑張ってますです。はい。
心の中でそうつぶやく患者、午前中の業務だけでかなりお疲れのようだ。
それだけでメールに返信したかのような気になってしまい、
前日に続き返信することを忘れてしまう・・・。
その日も残業をこなし、自宅に戻った頃には既に日付も変わってしまっていた。
かろうじて昼のメールに返信していないのを思い出すにはいたったが、流石に時間が遅かったこともあり『また明日にしよう』とベッドに入った。
結局、返信をしないまま数日が経ち、週末を向かえる。
そこでようやく患者はメル友である彼女のことを思い出す。
何か言わなければならない事があったような気はするが、
それが何だったのかは思い出せない。
仕方なく、近況報告めいたメールをこちらから送信する。
久しぶり!
最近仕事が忙しくってさぁ・・・
しばらくは無理だけど、休みに入ればヒマになると思うから、
そしたら遊びにでも行かない?
気分転換のつもりで軽く誘ってみる患者。
いつもならば、比較的短い間隔でメールが返ってくる。
だが、待てど暮らせど返信がなかった。
それ以降、患者は何度かメールを送るが返信は無く、音信不通の状態となった。
患者には分からなかった。
しかし、翌週になっても仕事が忙しく、その理由を考えることすら忘れてしまう。
もはや、何も考えられないかのようであった・・・。
時期的に忙しく、少しの時間でも惜しみたいという気持ちは分かる。
しかし、それを理由に周囲への対応をおろそかにしていい、という訳ではない。
この場合、相手は患者への配慮を見せつつメールを送ってきている。
その優しさ&仕事の忙しさにかまけて、
返信を後まわしにしてしまった患者に落ち度があったことは言うまでもない。
特に、メールは相手からのレスポンスが長く感じられてしまう。
そう思わせないためにも、返信は極力短い間隔で行いたいモノである。
仕事中に私的なメールを送受信することは、
業務に支障をきたす場合もあり好ましいとは言えません。
そんな時は、当然ながら時間をおいてフォローのメールを送るはずです。
あなたは、そのフォローの言葉すら怠る・・・どころか忘れてしまいました。
それが一度ならまだしも、
何度も続けば相手のメールに対する意欲が薄れてしまうのも当然です。
忙しい場合は後でしっかりフォローをすること。
また、多少時間に余裕がある場合は、『何故忙しいのか?』 『いつ頃落ち着きそうなのか?』 といった内容を添えることにより相手の印象も変わってくるでしょうし、次のメールを送るときの布石にもなり得ます。
もしそうしていれば、この年末あなたは彼女と一緒に過ごせていたかもしれないのですから・・・。
もしかすると、あなたは仕事にとらわれ過ぎて、
日々の余裕を失っているのかもしれません。
状況別に事例を取り上げた書籍がありましたので処方しておきます。
年の瀬の忙しい時期ですが、
これを機にご自分の生活スタイルを見直してみてください。