カルテ3 彼女にバレた?
気になる女性とのメール。メッセージを読むたびにちょっと顔がほころんでしまいますよね。でも彼女のいる人は要注意!女性は鋭い生き物なんです。
患者(中谷さん 26歳 製薬会社勤務)には大学時代から付き合っている彼女がいる。
彼女は厳しい面もあるが、基本的には患者に対して寛容な態度で接してくれる。
そんな彼女との恋愛関係に不満はない。
しかし、長い付き合いともなると、他の女性に目移りしてしまう事もあるようだ。
最近、患者は彼女に内緒で(というほどの事ではないが)
とある女性とメールのやり取りをしている。
相手は会社の飲み会で知り合った女性で、
その席で意気投合したことがきっかけでメールアドレスを交換するに至った。
気軽にやり取りができ、話も合うその女性とのメールは、
患者にとって日々のちょっとした楽しみになりつつあった。
そんな平穏な患者の日常に、とある事態が発生する。
ある日、患者が彼女を自室に招き、二人でくつろいでいた時のことである。
患者の携帯がコールし着信があることを告げる。
『おっ、飲み会のコからのメールかな?』
彼女がいる前であるにもかかわらず、口元がゆるむのを抑えられない様子の患者。
その事に自身でも気付いたようで、ゆるんだ口元を引き締め男友達の場合と同様にメールの内容を確認し返信を終える。
実際その女性とは普通に雑談メールをしているだけなのでこれといった問題は無い。
その時である。
向かいに座ってテレビを見ていた彼女が、患者の表情を見ていたかのようにこう言い放ったのである。
んー、誰から?女の子?
『ギクっ!』
突然発せられた彼女の一言は、鋭利な刃物のごとく患者の思考をつらぬく。
なんとなくではあるが、患者のメールが気になっているようである。
明らかに動揺した患者は、とっさに次のような返しをしてしまう。
いやいやいや、男友達だって!
ほら、前に話した会社の後輩!
なんか、明日の打ち合わせの事で聞きたいことがあるとかでさー。
やけに説明的で怪しい事この上ない。
というより、自らバラしているも同然である。
『しくじったー』と思いつつも、混乱しきった脳内で必死に次の言葉を探す患者。
その場を取り繕おうと必死である。
それを知ってか知らずか、彼女は次の言葉を投げかける。
ふーん、なんでそんなに焦ってんの?
彼女は何かを察知したようであったが、患者が別に全然焦ってないとなかばキレ気味に言い張ったため、それ以上の追求はなかった。
相手の女性とやり取りしていたメールの内容自体は当たりさわりの無いモノであったことは確かだ。 しかし、今回は彼女の寛容さから見て見ぬフリをしてもらった、という結果だったのは間違いないであろう。
患者は自分の落ち着きの無さを痛感したのであった。
女性は男性のちょっとした変化さえも鋭く察知する能力に長けている。
『カンがいい』 といった方が分かりやすいだろうか。
そんな女性の特性を理解せずに接している男性は思いのほか多い。
“相手はこちらの変化を敏感に察知している” という事を肝に銘じて行動したい。
とりあえず動揺しすぎです。
確かに、彼女はあなたの微妙な変化に気が付いていたのかもしれません。
しかしこの場合、彼女はただ単に『カマをかけているだけ』という可能性も考えられます。
そこで、自らバレるような発言をしてしまうのはクモの巣にかかるセミのようなモノ。
獲物を発見しても何食わぬ顔で距離を詰めるライオンのような平静さを意識しましょう。