【第17回】”リアル”を大切に!
新人社員ナルミの「教えて編集長!」。
第17回は”リアルコミュニケーション”についてのお話。
メール、チャット。
mixiにTwitterにSkypeにメッセンジャー。
恋愛、仕事、プライベート、どんなシーンでも。今やネットでのコミュニケーションは常識。
でも、そんなネットのコミュニケーション。
アナタは過信しすぎていませんか?
…今回は、そんなお話なのです。
編集部員:ナルミ 今年の春、恋タメ編集部にやってきた、入りたてホヤホヤの新入社員。 明るく積極的な性格が災い(?)して、今回この企画に大抜擢。 入社一カ月目にして、すでに編集部のマスコット的存在。 |
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編集長:エアロ酢味噌 泣く子も号泣の、恋タメ編集部の名物”鬼”編集長。 …とは言え、義理人情に厚く、面倒見も良いので、実は意外にも(?) 皆に好かれている。 曲がった事が大嫌い。 ちょっと頑固で古臭い一面も…。 |
Scene 17 就業中のオフィスにて…
うーん…面倒だなぁ…
どうしたどうした?
今度は何の愚痴だ?
いや、取引先の方なんですけど……。
打ち合わせ、直接会ってやりたいそうなんです。
メールのほうが時間もかからないし、後に記録も残るからいいと思うんですけどねぇ…。それか、せめて電話とか…。
なんか、ちょっと考えが古いなぁ…なーんて…。
――――最近メールで済むことが増えてきて超便利~!って思う一方で、この人みたいに、やたらと会って打ち合わせをしたがる人もいるんだよね。
こっちが行くのも面倒だし、相手に来てもらうのも悪いし、正直、メールだけのほうがいいんだけど……
バッ、バッ……
わっ、今日は早い!
っつか、何!?なに!?
何が地雷だったの!?
バッカモーン!!!!
いいか、メールに限ったことじゃなく、掲示板やメッセンジャー、イントラネットを使った社内のシステムなんかもそうだが…
そういうネットのツールってのはな!
情報の量が限られているんだよ!!
ひぇぇぇぇっ!!
前回はなかったから油断してたぁ!
聞けよっ!!
いいか、コミュニケーションの基本は『会うこと』だ。
直接会うこと以上のマルチメディアはないんだぞ!
情報量という意味では、メールなんぞ足元にも及ばん!
え~っ、どういうことですか?
情報量って言ったって…。
打ち合わせぐらいなら、メールでも十分できると思うんですけど…。
バカもん!
情報とはそんな狭い範囲のものを指すわけじゃないんだぞ!
例えばだな。
メールなどのネット上だけのやりとりでは、相手がどんなことを考えているか、あちらの場の雰囲気、さらに言えば、取引先の人間の人柄なんかは感じ取れないだろう?
え?それはそうですけど…
そんなの別に取引とは関係ないんじゃ……
あのなぁ。
お前は機械と取引するわけじゃないんだぞ。
取引する相手は人間なんだぞ!
………はぁ。
ピンと来ていないようだな。
いいか?
メールの内容が正しいからと安心して契約した相手が、もし、ものすごく怒りっぽくて、お前の言ったことにいちいち腹を立てるような奴だったらどうする?
そんな奴と契約した日には、取引が成立した後にプロジェクトがうまく進行しなくなることだってあるだろう。
そういう性格や雰囲気なんかは、会ってみないとわからないだろうが?
うーん…確かに……
そうですけど……
あー!!もう!
よし、もう少し大きなスケールで例を出してやる!
いいか?
住まい探し、車を買う、病気になった、などなど…
自分にとって大事な局面に遭遇したとき、必ずその担当者とは『会う』だろう!?
それとも何だ?
お前は会わないでそういう大事なことを決められるのか?
無理です!そんなの怖い!
相手がどんな人なのかわからないのに!
だーかーら!!
そういうことなんだよ!!
あっ、そうか!!
ある内容を相手に伝えるだけでも、話し方、トーン、顔、口、表情、手の動き、体の動き、そして何と言っても目などから、単なるその内容以上の情報がにじみ出てくる。
そこから得られることは、実に大きいもんなんだよ!
――――そういえば昔、SNSのオフ会で会った人が、ネット上でやりとりしていただけの時に感じたイメージとかけ離れていて、びっくりしたことがあったなぁ。
話している内容は同じだったのに。きっと、そういうことなんだろうな。
これがビジネスや商談になると、その場の空気や雰囲気も手伝って、思わぬ展開を見せることも多くなる。
そうだな…例えば…
お前が部屋を探していたとしようか。
はい、部屋ですね!
1LDK、1LDK…!
例え話だから、リアルな想像はせんでいい。
ネットで理想的な部屋を見つけたら、まずは電話を入れるよな?
で、詳細を聞く約束をして不動産屋に行ってみたが、その時にはもうその部屋は埋まっていたと…。
うぅ、よくありました。
うっ、うっ……
思い出し泣きをするな。
ただこういう場合、不動産屋のスタッフは、お前の雰囲気や、職種、話している内容から推察される好みなど考えて、ほかのお勧め物件を出してきたりするよな。
で、だ。
お前もお前で、そう言った情報から、さらに理想的な地域や条件があることを知って、結果として、ネットであーだこーだ見ている時より、トントン拍子で家が決まったりする…。
あぁ!確かにいつもそういうパターンですね。
この話の場合。
お前は直接会うことで、より詳細で深いニーズを伝えることができ、そして、不動産屋は直接会うことで、客のニーズにより合った物件を提供することができた訳だ。
どうだ?
こういうことは実際に会って、話を広げてみないとありえないだろう。。
そして、これはビジネスにも同じことが言えるんだぞ?。
実際に会って相手を『知り』『感じる』ことで話を広げて、さらにいい結果を招くことができるんだよ!
リアルな情報や有意義な展開は、実際に人と人が会っているところにこそ生まれるってワケですね。
――――結局、実際に顔と顔をつき合わせて、五感で「会話」するってことなんだよね。編集長、「マルチメディア」だなんてうまいこと言うなぁ~。
その通り!
それにな、これはプライベートな人間関係にも共通して言えることなんだよ。
メールやネット上だけのやりとりに頼っていると、本来は『人と会い、何かを感じる、読みとる』ことで片付く話が、ややこしくなってしまう場合もある。
あっ、わかります!
昔、友達に、携帯メールで『明日映画行かない?』って誘ったら、『別に、いいよ』って返事が来て、行けるのか遠慮したいのか、どっちなのかわからなくて結局電話したことがありました(笑)
まぁ、メールは便利なものだが、そればかりに頼るのは危険!…ということだな。
顔を合わせないやりとりに慣れてしまったら、相手がまとう空気や場の雰囲気を読む能力が退化しそうな気もしますね。
コワイコワイ…
そう。
もっと言うと、今の若者のコミュニケーション下手の原点は、そこにあると言っていいだろう。
そして、これはな。
デートに誘うときも同じことが言えるんだぞ?
たとえば彼女を映画に誘いたいと思っているとしよう。
そんなときはな、むやみやたらに誘わず、まずは彼女と直接話をして、相手がどんな映画が好きで、どういう作品を見たいのか?ということを話の内容や表情から直接肌身で感じ取るんだ!
それからチョイスすれば、デートはさらに楽しいものになるッ!
あ~…
また編集長が私じゃなくて、画面の外の非実在青年に向けて訴え始めちゃった……
とりあえず……。
放っておこう…。
がんばれぇ!
青年!!