【第8回】時は金なり!!
新人社員ナルミの「教えて編集長!」。第8回は、時間のお話。
時間にルーズな人って居ますよね。
時間だって限られた資源!
そんなんじゃ恋のチャンスも逃がしちゃいますよ!
…今回は、そんなお話です。
編集部員:ナルミ 今年の春、恋タメ編集部にやってきた、入りたてホヤホヤの新入社員。 明るく積極的な性格が災い(?)して、今回この企画に大抜擢。 入社一カ月目にして、すでに編集部のマスコット的存在。 |
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編集長:エアロ酢味噌 泣く子も号泣の、恋タメ編集部の名物”鬼”編集長。 …とは言え、義理人情に厚く、面倒見も良いので、実は意外にも(?) 皆に好かれている。 曲がった事が大嫌い。 ちょっと頑固で古臭い一面も…。 |
Scene 8 朝のオフィスにて…
編集長、おはようございます!
バカモーン!!
ひ、ひゃぁぁぁぁっ!??
何なんですか朝っぱらからいきなり!!
何なんですかじゃない!
時計を見てみろ!今日は10時から打ち合わせをすると言っただろう!
えっ、あ、そうですけど……。
10分遅れただけだし、それに打ち合わせって言ったって、私と編集長だけの打ち合わせじゃないですかぁ。
………………………。
………バ、バ、バ…。
あっ、ヤバいこと言っちゃった……みたい……。
ぶわっかもぉぉぉぉぉぉん!!!!!!
ひぃぃぃぃいいいいっ!!!
10分と言ったら立派な大遅刻じゃ!
交通機関を考えてみろ!
交通機関が10分も遅れていたら大ごとになるだろう!
それに俺と二人だけだから遅刻してもいいとは何だ!
バカにしているとしか思えないぞ!
えぇぇっ、交通機関なんて、それはレベル高すぎです!
それにバカにしてなんかいませんよー!
…いや、…ちょっと甘えが出たのは認めますけど…。
……ったく、まぁ座れ。
今日は何で遅刻したんだ?
言い訳ぐらいは聞いてやらんでもない。
えっ、あ~……言わなきゃダメですかぁ….。
…あの、実は…。
二度寝で寝坊しちゃって……。
…………。
……ひっ。
…………。
………そろそろ怒鳴る気力もなくなってきたわ。
えぇ~!?そんなこと言わないで下さい編集長!
いつもみたいに雷を落として下さいよー!
なんか見捨てられたみたいじゃないですか!
お前が見捨てられても仕方がないことをしてんだから、しょうがないだろ。
…ハァ…ったく…。
うぅぅ…。ごめんなさぁい…!
まぁ、反省はしたようだな。
お前はさっき『たった10分の遅刻』だとか言っていたが…。
友達同士じゃそれでも許されるかもしれないが、これは仕事なんだぞ。
俺が取引先の人間だったら、よっぽどの理由があって、それも事前に連絡があったというのでもない限り、こんな体たらくじゃお前やお前の会社にはまず仕事は振らないぞ。
遅刻なんかされたら仕事全体が遅れることに繋がるし、小売業や接客サービスなどの時間基軸での事業なら、ビジネスの機会損失につながる。
実際、公共事業の入札開始に遅れた業者が外された話だってあるんだ。
……………………はぁい。
―――――うーん。
それはわかるんだけど、そういうスケールの大きな話だったらともかく、こういう少人数の打ち合わせなんかだったら、10分ぐらい許して!って思うのが正直なところ、なんだよねぇ~。
ん?なんだ、ピンとこないのか?
なら、自分の身に即して考えてみろ。
お前だって、待ち合わせの時間に遅れてくるような男に、いい感情は持たないだろ?
…うーん。
確かに、その程度にしか私のことを思っていないんだなって思います。
それが自分との待ち合わせじゃなくて、例えば…飲み会やパーティへの遅刻だったとしても、何となくだらしない印象を持ってしまうだろ?
あー…確かにそうですね。
そのせいで、みんながなかなか乾杯できなかったりするとムカつくし、時間の無駄だなぁって思います。
仕事で遅れてくるならまだしも、ですけど。
もし遅刻したのが結婚式だったりしたら、その人を呼んだ新郎か新婦どちらかが恥ずかしい思いをするだろうな。
うわぁ~、そういう人は絶対呼びたくないですね。
まぁ、まだ結婚する予定自体ないですけど…。
ほら、わかっただろう。
遅刻というものが社会生活に及ぼす重大さが。
プライベートでも積もり積もっていけば、そういうふうに思われるんだ。
あー…。
確かに…。
良かったな、気がついて。
今、お前は社会性を失うどころか、モテ道まで逆走するところだったんだぞ。
男女どちらかに限った話ではないが、モテる奴っていうのは、どういうシチュエーションでも時間にキッチリしているもんだ。
時間にキッチリしているというのはだな、要するに『あなたのことをきちんと考えていますよ』という意志表示なんだ。
もし遅れたら、相手の時間という貴重な財産を奪うことになるわけだからな。
もちろんこれはビジネスの上でも同じことが言える。
相手を尊重して、初めてビジネスはスムーズに進むんだ。
―――――確かに、誰かが自分との待ち合わせに遅れてきたときって、時間を損したーっていう気持ちもあるけど、よくよく考えると「大事にされてないな~」って気分のほうが強くて、それでムカつくんだよね。
それってどういう場でも、どんな些細なことに対してでも、同じなんだ。
そりゃそうだよね。どういう状況でも、同じ「人間」がやっていることだもんね。
貴重な財産……!
そう言えば、そんな発想で時間を考えたことはありませんでした!
すみません、編集長!
分かったならそれで良い。
でも、どうだ?時間が財産だと思えば、一人のときでも有意義に使おうという気になってくるだろう。
これからは休みの日に夕方まで寝て、1日無駄にした、なんてことはなくなるんじゃないか?
ギ…ギクッ……!
な、な、な、なんでわかるんですか!そんなこと!
そりゃあお前の性格を知っていればなぁ…。
……うぅ。その通りです。
わかっているとは思うが、その日、その時間はもう二度と来ないんだぞ。
そうして気がつけば、月日はどんどん過ぎていっているんだ。
うぅっ…耳が痛いです…。
わ、わかっているつもりではいるんですが……。
あー。
でも休日にわざわざ早く起きてもやることがない、っていうことも、つい寝坊しちゃう理由かもしれないんですが…。
なんだ寂しいヤツだな、お前も。
早く男でも作ったらどうだ?
ほっといて下さい!
はっはっはっ、そうムキになるなって。
休日に特にやることがない!ってときはな。
前もって計画を立てておけばいいんだよ。
どういうことですか?
部屋の掃除でも、洗濯でも外出でも散歩でも、買い物でも読書でも趣味の作業でも、
何でもいいから自分の自由になる時間には、事前に計画を立てておくんだ。
そうすればその日は、結果的に無駄のない充実した時間を過ごせるぞ。
―――――それはいいかも!
一度計画を立ててしまったら、実行しないと何となく気持ち悪いもんね!
なるほどー!!
でも……うーん、できるかなぁ…。
何だ、情けないことを言うな。
いや、さっきの遅刻とも関係あるんですけど…。
私、朝がすごく弱いんです。
特に休日なんてちゃんと起きられるかどうか心配で……。
休日に寝てしまうのは自業自得で片付くとして…。
まぁ、仕事で寝坊というのは周囲に迷惑を掛けるという意味でも問題だな。
はい……。
甘ったれるな。
大体世の中に、朝眠くないなんて人はいないんだよ。
築地の魚河岸だって眠いんだ。
それでも起きられる人と、起きられない奴の違いは何だかわかるか?
何でしょう……睡眠時間の長さとか?
ま、まぁそれもまったく関係ないとは言わんが…。
第一は自分に対して厳しいかどうか、それから責任感があるかどうかだよ。責任感というのは、自分に対しても、他人に対しても、だ。
そうか、じゃあ私がつい寝坊しちゃうのは、『自分に甘いから』なんですね。
あー……。
でも、そうかもなぁ…。
まぁ、若いうちに気づけて良かったじゃないか。
明日からがんばって早起きしろよ!
よし、じゃあ今日できなかった会議、明日の朝8時からやるか!
は、は、は、8時ぃ~~~!?
……………。
… が、がんばりまーす!
……うううう。