第8回 自分と相手 距離感のズレが起こす事柄
「前回は『気になる相手の心の中の、自分のポジションを把握する』方法説明したのだったな。覚えているかな?」
「もちろんです。で、コワーイ部分でぶった切られました!!」
「『よくある間違った把握のパターン』について説明していただく直前で(苦笑)」
「おお、そうだった。他人事だからすっかり忘れていたよ!何しろ私自身、間違って把握したりしないもんね! ていうかあ、♪向こうから寄ってきてくれるからなあ♪」
「うっ、何だろうこの殺意!? ……平常心、平常心だ僕!」
「ま、でも私だってこう見えて、昔は多少~は間違ったこともあったんだけどな。自分が相手のどのポジションにいるかをイメージしたとしても、それは所詮自分のイメージにすぎないわけだから、間違いのひとつやふたつ、起こるときは起こるわけだ」
「えっ、所長がですか! 僕、何だか今初めて所長に親近感を感じました!」
「えーっ!!! お前みたいな奴に親近感感じられたの私!? ショックだわー!」
「ショックって……そこまで言わなくても……うぅ(涙)……」
「はっはっは、すまんすまん。機嫌を直してくれ。では、本題に戻ろう。」
「間違った把握についてだが、まず一番多いのが第5回で説明したような、最後に『ごめんね、そんなつもりじゃなかったの』と言われてしまうケースだな。」
それでは、「よくある間違った把握のパターンとそれがもたらす結果」について、1つ目のパターンからご説明します。もっとも多いのが「自分の中の相手はBゾーンで、相手の中の自分もまたBゾーンだと思っていたのが、実際は相手の中の自分はCゾーンだった」という場合です。 |
具体的にはこんな状況が展開されるだろうと予想されます。☆たまたま二人で食事に行って楽しかったので、また次回も! と求めると…… ☆友達同士の飲み会で、悩みや相談を受けたので、次の日にメールでその続きを、と求めると…… ☆バレンタインチョコをもらったので、お礼に食事を誘うと…… →→→ 相手がそのギャップ感を何となく掴み、
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「ヒィィィィ……ヒィィィィィィィィィィィ!! 怖いよう! 怖いようぅぅ!!」
「そんな反応をするお前のほうがよっぽど怖いわ……ま、それはさておき『ごめんね』と言ってもらえるならまだいい。気がついて行動を訂正すれば、そのまま同じゾーンにい続けることができる。」
「実はこれがな、『反感を抱かせるケース』もあるんだよ!!」
「えぇっ! 怒らせてしまうってことですか!?」」
「そうだ。では引き続き説明!!」
ではパターン2として、「相手に反感を抱かせるケース」をご説明します。これは主に「自分の中の相手はAゾーン候補で、相手の中の自分もまたAゾーンに限りなく近いと思っていたが、実際の自分はBもしくはCゾーンだった」という場合に主に起こります。 ここでのポイントは「自分は相手の中のAゾーンに近い」と思っているので、そういう態度で相手に接してしまうということです。 つまり誘い方が「○○ちゃんと僕の間柄なら、このぐらいは当然だよね」という角度からのものになってしまうのです。 |
よりわかりやすくするため、前回と同様の例でご説明しましょう。☆たまたま食事に行ってとても楽しかったので「相手も同じ気持ちだろう」と思い、また次回も!と求めると…… ☆友達同士の飲み会で悩み相談を受け、「もしかして頼られてる?」と思い、次の日にメールで続きをと求めると…… ☆バレンタインチョコをもらったので「高価なものだし、こちらに気があるのかも」 相手が憤慨して「バカじゃないの?」「信じられなーい」「空気読めよ!」というリアクションになり、一気にDゾーン~ゾーン外にまで弾き出されることになります。 |
「所長……これは何かの怪談でしょうか。明日にも僕の身の上に降りかかりそうな不幸に思えてならないんですが?」
「ははは、そんな顔するなって。逆の場合だってなくはないんだ。」「つまり自分が、考えていたよりも相手のゾーンの内側にいた場合だな。Cだと思っていたらBにいたというような場合だ。これをパターン3としよう」
「単に自分が相手にそれほど気がなかったという場合もそうだし、自分を過小評価している場合もそうだが、とにかく「せっかく相手の気持ちを掴めたのに次の行動に移さないから、女性は “残念! 期待はずれだなぁ”とか “ほかにイイ人がいるんだろうな”そして “私のことには興味がなさそうだからあきらめよう”と感じて、離れていってしまうこともある。モテる男だ鈍感といわれる所以は、まさにここにあると言える」
「でも……そんなモテモテ話、僕には関係ないような気が……。僕はやっぱりフツーに間違えてフツーに『こいつウゼェ』って思われそうな気がします!」
「うーーーむ。そりゃそうだな、私も同感だ」
「否定してぇぇぇー!!!!!」
研究員紹介
所長 チビ・デブ・ハゲ・オヤジとモテ要素は何ひとつないのに、なぜか彼女が切れたことのない謎のおっさん。女友達も多い。趣味は女性Watching |
六本松研究員 マジメ一徹の青年研究員。マジメすぎて、それがお笑いの域にまで達してしまうことも。所長に憧れて研究所入りした29歳。独身 |