【第19回】打ち合わせにノートPCってどうなの?
新人社員ナルミの「教えて編集長!」。第19回は、打ち合わせ時にノートPCを使うことについてのお話。
今やトレンド!! 皆さんも、打ち合わせ時にそういう人を見た経験ありますよね?
えっ? 皆さん自身がそうしてるんですか?
実は打ち合わせ時にノートPCを開くことは、自分の評価を下げてしまう悪い面もあるんです。
今回は、そんな身にしみるお話です。
編集部員:ナルミ 今年の春、恋タメ編集部にやってきた、入りたてホヤホヤの新入社員。 明るく積極的な性格が災い(?)して、今回この企画に大抜擢。 入社一カ月目にして、すでに編集部のマスコット的存在。 |
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編集長:エアロ酢味噌 泣く子も号泣の、恋タメ編集部の名物”鬼”編集長。 …とは言え、義理人情に厚く、面倒見も良いので、実は意外にも(?) 皆に好かれている。 曲がった事が大嫌い。 ちょっと頑固で古臭い一面も…。 |
Scene 19 社内ミーティングにて…
よーし、じゃあ打ち合わせ始めるぞー。
えー、今日のテーマは……って、
ナッ、ナルミ!! お前、何やってるんだ?
あっ、編集長。
何って、ノートPC開いているんですが。
そりゃ見ればわかるが……
なんで会議だって言うのに
ノートPCなんか開いてるんだよ!
何でって、当然メモをとろうと思って
あ、編集長、ちょっと待って下さい。えーと、○年○月○日打ち合わせ……っと。
……………。
カチャカチャカチャ……………。
…………………。
…………………タン!!
バカモーーーーーン!!
え、えぇぇぇ~!!?
うわっ、いきなりすぎる! な、なんでですかぁ!?
打ち合わせのときにメモをとるって普通じゃないですか!?
お前、お前、まっ、まっ、まさか?
まさかクライアントや、俺以外の上司の前でもキーボードカタカタやってメモしてんのか!
へっ、そ、そうですけど………。
な、何か?
何かもジャポニカもないわー!
同僚相手ならまだしも、『さぁ、始めましょう』という時にいきなり目の前で断りもなくPCを開いて、カチャカチャいじりだす奴なんぞ、『何さま?』と思われても仕方がないぞ。せめて『パソコンを開きながらで失礼します』の一言ぐらい言わんか。
う、うぅ、でもお言葉ですが編集長……それはさすがに考え方が古いのでは……。
持ち運びのできる小型のノートPCは特に便利なビジネスツールですから、
重要な資料を入れて打ち合わせや会議などに臨む人も、最近は多いと思います(キッパリ!!)
そりゃもちろん、便利さは認める。時と場合さえ考えれば、どこで使ったって俺だって文句は言わん……だかな
今はダメだ!!
えー、どうしてぇ~?
今、お前が相手にしているのは、お前と「話」がしたいという人間だからだ。
お前にメモをとってほしい人間ではない!
こちらの意見を聞いてもらい、お前の意見を聞き、一緒にいいアイディアを出していきたいという人間と会話するとき、お前はPCのほうにばかり夢中になるのか?
夢中になるわけではないですよ。
だってあくまでもメモ程度だし……
お前はそのつもりでも、お前が前にしている相手はどんなふうに感じると思う?
自分の話もそこそこにしか聞かず、PCにばかり向かって……と、苦々しくなるとは思わんか?
うーん、それは……
ビジネスでは、たとえ多少不便であったとしても、
相手が自分をどんなふうに思うか、どんなふうに見るかにも十分気を使わなければならんのだ。
利益を生み出すのは、結局人間なのだからな
それは……
いわゆる心理戦みたいなものでしょうか?
まぁ、遠いものではないかもしれん。
そういう意味では、べつにこれはノートPCに限った話ではないぞ。どんな場面でも、相手の顔を見ないで話をする奴は信用できんだろう。
ノートPCを使うかどうかなど、ぶっちゃけて言えば小さなことに過ぎん。
結局、『私はあなたの顔をきちんと見ていますよ、つまりあなたとの会話に誠意を持って臨んでいるのです』という意志を態度で伝えられるかどうか、ということなのだ!
でも……それだったら、メモをとること自体が失礼にあたりませんか?
相手の顔を見ないということ自体は同じだし
もちろんそうだ!
ノートPCのほうが『相手の顔を見ていない感』がより強まるというだけで、実質的には同じことだからな。
だから手書きのメモといえど、あまり必要以上にとるべきではないと俺は考えている!
だけど、やはり何か不安はあるよーな。
――― やっぱり・・・
後になって、言った、言わないの水掛論になるのもイヤだし、自分が覚えていられるかどうか自信もないし……
やっぱり文字にして残しておかないと、不安は残りますよね。
おいおい、何も絶対にメモをとってはいけないと言っているわけじゃねぇんだよ。
本当に必要な点を箇条書きでメモしておくだけで十分だろ。
例えば……
「×××は、いかがでしょうか」と聞かれ、
「いやあ、なかなか検討するには難しいねぇ」との答えを返されたとする。
先方がアッサリ答えたのか、それとも苦味ばしった顔で言ったのか、
もしくは苦笑いしながらだったのか……
そういった反応で、先方の検討レベルもまったく違うことに気がつかなければいけないところを、相手の観察もそこそこに、ノートPCだのメモだのに『検討は難しい』とだけ書くのか。
そんなことをしている暇や余裕があったら、相手の反応に合わせた
次のカードを切り出すことに頭を使え。
確かにノートPCは便利だし、メモをとっておくのも必要だろう。
だが、目的はそれ自体ではないということを忘れるなよ!
うーん……
あ~、でも、その..あの..
なんだ、まだ何かあるのか??
お前も煮えきらんやつだな!!
メモを取ったり、ノートPCに打ち込むことが癖になっちゃっている部分もあるので、
資料らしい資料が残らないことに、何だかおぼつかなさを感じちゃうんですよね。
たしかに相手にいい印象を持ってもらうのは大切だと思うんですけど、
そこにばかり気を使って、肝心の自分の仕事がおろそかになっちゃったら、
本末転倒なのでは……
よーーく考えてみろ!
新人なまだしも、『メモを取らないと何かとおぼつかない』とノートPCに頼ると言うことは、『私は記憶力が弱く、話し合いの中で要点をまとめられません』と言っているようなもの。営業や社外の打ち合わせでは、相手に対して“仕事出来ない人間”の印象を与えているのと同じことだからな!
まあ一歩譲って、どうしてもメモや資料と言うのなら、それだったら発想を切り替えて、事前にある程度の資料を用意しておけばいいだけの話だろう。
そっちのほうがよっぽど好印象でもある。
あっ、なるほど! それだったらメモの量も1からとるより圧倒的に少なくてすみますもんね!
よし、じゃあちょっと行ってきます!!
……は? どこに行くってんだ? これから打ち合わせだぞ?
はい!! 打ち合わせの資料作りに!!
オイっ、オイっ…… まったく