【第10回】一人前の男とは？

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新人社員ナルミの「教えて編集長！」。
新年一発目の第10回は、一人前って何！？というお話。

年始という事で、今年の目標を決めた人も多いと思います。
我が編集部のマスコット、ナルミさんも、今年は一人前の女になると意気込んでおりますが…。
じゃあ、いったい一人前な人って、いったいどんな人のこと？
…今回は、そんなお話です。

	編集部員:ナルミ 今年の春、恋タメ編集部にやってきた、入りたてホヤホヤの新入社員。 明るく積極的な性格が災い（？）して、今回この企画に大抜擢。 入社一カ月目にして、すでに編集部のマスコット的存在。
	編集長:エアロ酢味噌 泣く子も号泣の、恋タメ編集部の名物”鬼”編集長。 …とは言え、義理人情に厚く、面倒見も良いので、実は意外にも（？） 皆に好かれている。 曲がった事が大嫌い。 ちょっと頑固で古臭い一面も…。

Scene 10　新年、仕事始めのオフィスにて…

あけましておめでとうございまーす！

おお、あけましておめでとう！ 新年早々元気がいいな！ やっぱり若者はそうじゃないとな。

いやいや、元気だけが取り柄なものですから。

はっはっは。 自分のことをよくわかってるじゃないか。

えぇぇ！？

少しはフォローしてくださいよぉぉ。

おう、そうだな。 そういう事は、フォローしたくなるような人材に育ってから言えな。

はぅぅっ！！

ところで今年の目標はもう決めたか？

もちろん！

私の今年の目標はズバリ 『一人前になること』です！

おっ、成長の予感！

ヘッヘッヘ…。

おっと、まだ調子に乗るのは早いぞっ。

じゃあ、お前にとって『一人前』の定義とはなんだ？

いっ、『一人前』の定義ですか!? （ハッ、そう言えば字面に踊らされてそれを考えていなかった……！） えっと……。

仕事がちゃんとできるようになること……かな?

なんだなんだ、立派な目標を立てておいて。 仕事ができるだけじゃ、一人前とは言えないぞ?

え～っ……うーん……。

な、なんでしょうね、一人前って……?

一瞬でも褒めた俺が間違っていた! ……とは言うまい。 前向きな姿勢は認めよう。

一人前とは単純に『スキルや知識などをそれなりに持っていること』ではない。

仕事も手慣れているし、任せても十分やっていけるスキルや知識もあるのに一人前に『なろうとしない』ヤツらなんて、うなるほどいるんだ。

『なろうとしない』ってどういうことですか？一人前って、仕事に必要な技術が伴えば、自然となれるものだと思ってましたけど…。

いいか、一人前っていうのは、自分が関わっていることに責任を持てるってことなんだよ。

技術があるかどうかもそりゃ大事なことだが、一番ではない。

その仕事がもし失敗しても、他の人に片付けてもらうのではなく、自分が最後まで何とかするんだ、という意識を持てるヤツ、これを一人前の人間というんだ!

 

一人前って、スキルのことじゃないんだ!?　意外なようにも聞こえるけど、正直、スキルがあるというだけじゃ何かひとつ物足りないんじゃないかとは感じてた。
責任感って言われると、確かに足りない部分にうまくピースがハマった気はするなぁ。
でも……

な、なるほど。 責任感の問題……なんですね。

でもそんな責任、今まで背負ったことないから、ちょっとピンと来ないかも。

……エヘヘ♪

笑ってごまかすな。 一人前が遠のくぞ。

まぁお前の場合、恋愛に当てはめて考えればわかりやすいかもしれんな。

恋愛にも一人前なんてあるんですか？

もちろんあるぞ。それに恋愛だからって特別なことではない。 基本は仕事に対する姿勢を変わらないんだ。

恋愛と仕事を一緒にしないで下さいよ～！

落ち着いて恋愛出来なくなるじゃないですか。

まぁまぁ、聞けよ。

お前にはまだ縁のない話かもしれないが、最近、いつまでも結論を出さずに結婚や将来の生活の話から逃げる男が多いだろう

ん～、そうですね。 結婚できない男性じゃなくて、しない男性が増えてるっていう話は、マスコミからも友達からもよく聞きますね。

そういう人をムリに説得して結婚したけど、結局外で遊びまわってばかりで、１年足らずで離婚しちゃったっていう話も知ってます。

結局、そういうヤツらは、いつまでも『独身の自由な俺』、つまり『責任を持ちたくない俺』を捨てられないんだよ。結婚したいと思うわけも、結婚生活がうまくいくわけもない。

本来であれば年齢的にも肉体的にも、仕事のスキル的にも『一人前』であってしかるべきはずなのに、そこから逃げているんだ。

でも編集長、なぜ一人前になることから逃げてはいけないんですか？それでその人が幸せなら、いいんじゃないですか?

そりゃ、ソイツにとってはいいだろうよ。でもお前、そういうヤツと付き合いたいと思うか？一緒に仕事したいと思うか？

一人前っていうのは、自分のためになるんじゃない。大人として社会生活を送っていこうとしたら、自然と求められるものなんだ。

一人前になろうとする努力を拒否するということは、社会の一員になることを拒否することと同義語なんだよ。

たしかにいい年コイて永遠の少年みたいな人はイヤですね。頼りなさそうというか……。何か起こったりしたときに、ひとりだけさっさと逃げたりしそう。

付き合いたくはないですね～。

そこまで大袈裟な状況ではなくても、付き合っていくうちに、いろんな場面でハッキリさせなくてはいけないことというのは出てくるだろう。

そういうときに『僕にはまだ責任がとれないから』と逃げ腰を見せられたら……。

ゲンメツですよね。

……でも、私、そう言いたくなる人の気持ちもわからなくもないですよ。

やっぱり責任をとるのって、怖いじゃないですか。 よっぽど自分に自信がないと。

それは、一人前になるというのを、人のある『状態』のことを指すと思っているからだろう。

そうじゃなくて、一人前になるというのは、気概と意識なんだ。責任をとるぞ、一人前になってやるぞ、という覚悟と気概を持つことなんだよ。

だから極論を言ってしまえば、どんな状態であろうが、関係ないんだ。例えば、ヤンキーの若い兄ちゃんが、彼女が妊娠したことで、まだ手に職もないのに、『親父になるんだから』とマジメに働き出したりすることがあるだろ。

つまり、そういうことなんだよ、一人前になるっていうのは

 

あ、そうか。
まだ学生なのにやけに頼りがいがある人とか、逆にいい年で、ちゃんとした仕事にも就いているのに、何だかあぶなっかしい人がいるっていうのは、そういうことなんだ。

そう聞くと、一人前っていうのは人間が成長するのに必要なハードルのようなものなんですね。

気合を入れないと飛べないし、気合を入れないで飛ばないでいたら、いつまで経っても子供のままだし

おっ、うまいこと言うじゃないか。

そのとおりだ。 みんなハードルの高さばかりを問題にしたがるが、結局本当に問題なのは、飛ぶ気合がないことのほうなんだ。

とかく現代は『そうは言っても金がない』だとか、『将来の不安から結婚が遠のく』などと言われているが、では、金があって将来の不安が解消されれば、みんな結婚を考えるのかと言うと、そんなこともないだろう。

じゃあ、そういのって、結局のところは『責任かかるの嫌だなぁ』っていう人たちの言い訳なんですね…。

 

社会問題に還元されてしまって一見わかりにくくなっているけど、最終的にはその人自身が本気で向き合うかどうかってことなんだよね。
一人前ってことに限らず、だろうけど。

容赦ないこと言うな～、その通りだが。

モテる男、結婚できる男っていうのは、やっぱりそこが違うと思うんだよ。だから女性はその匂いを嗅ぎわけて、なびくんだ。

一見ウダツの上がらなさそうに見える妻帯者のオジサンたちも、そういうところを見込まれてホレられたってところは大きいんだよ。

別にみんな子供や家族のためにあくせく働くことを好きこのんで選んだわけじゃない。彼らには、『責任』を持つ覚悟があったんだ

へぇ～、なるほどね～。

なんだか明日から、ウチのお父さんを見る目が、ちょっと変わりそうです

おぅ、どんどん親孝行してやれよ！

はいっ！ 今度実家に帰ったらさっそく肩叩き券を大量発行しようと思います！

肩叩き券って……。 お前、一人前になる前に、大人になれ……