男目線シリーズ01 バレンタインとは? [前編]
クリスマスが終わると次にやってくる恋愛イベントがバレンタインデー。
受け取る側の男性としては、その時期にマスコミや女性達が騒ぐのを見ると、どことなく対岸の火事のような気もするのだが、結果的に貰えたり、貰わなかったり、あるいは配られたり..という現実がある。
男としては、このバレンタインデーなるものをどう捉えたらいいのか。
近年の様々な事情も踏まえた上で考えてみたい。
何か違うぞ、近年のバレンタインデー
バレンタインの起源や世界各国の捉え方は置いとくとして、そもそも日本では一昔前は『女性が男性に愛情の告白としてチョコレートを贈る習慣』であったはずだが、現在では既に交際中の恋人や、結婚している夫妻、子供同士でも行われるようになり、憧れの男性・女性に贈るケースや、上司や同僚、ただの友人などの恋愛感情を伴わない相手にもチョコレートを贈る「義理チョコ」という習慣までも定着している。
ここ何年かの意識調査でも「バレンタインデーにチョコをあげる」と言う習慣について様々な結果が出ている。
読者の方も目にしたことがあると思うが、あるデータでは
- 「チョコレート受け渡しの習慣なんかなくなればいい」という回答がOLで7割、同じく男性で5割
義理チョコさえも本当はあげたくないと言うのが本音、女性の側から男性に物を贈ると言うことに対する抵抗があるのかもしれないし、貰った男性も「どうせ義理だし」ぐらいに考えているようだ。
さらに別のデータでは
- バレンタインにチョコをあげる目的としては「日頃の感謝の気持ちを表す機会」が七割、次いで「コミュニケーションの円滑化5割、「楽しい年中行事」3割
チョコをあげてもいいと思う女性さえも、愛情の告白などとは、かなりかけ離れた人間関係の潤滑油としての役割でとらえている。
さらに、毎年時期になると取り立たされる一連の調査データは、カップルや既婚者など相手ありの方々のアンケート結果が多く、全体像がなかなか見えない。(メーカー都合のデータも多い)
したがって、相手の決まった同士以外のバレンタインは現実には、もはや単なる形式と化し、チョコそのものにそれほど意味が無くなっていると推測できる
さらに変わる、バレンタインデーの位置づけ
一方で最新のアンケート調査にも
- A. 江崎グリコが10―20歳代の女性に行ったバレンタインデーに関するアンケート調査によると、チョコレートを贈る相手は「本命」(43%)よりも、女性の「友人」(74%)が主流。互いにチョコレートを贈り合う「友チョコ」が10歳代を中心に人気で、予算は「本命」向けの4分の1程度、贈る相手の数は約10人。 2009年に周囲からチョコレートを贈られた女性は全体の82%。友人向けのチョコレートについては2010年も84%の人が「あげたい」と答え、また90%が「もらいたい」と考えている。
- B. 森永製菓がバレンタインデー直後に10―50歳代の男性約500人に行った調査によると、「逆チョコ」の認知度は92%と、ほとんどの男性が知っている。しかし実際に女性へチョコレートを贈ったという人は6%。同業他社の調査でも受け取った女性は1割に満たないとの結果が出ており、「知ってはいても参加はしない」という男性が多いとみられる
とのことだ。チョコメーカーの調査であるため、多少ビジネス色があるデータだということを差し引いても、今10代を中心に定番化しつつある「友チョコ」文化が今後は主流となり、恋愛イベントとしての色合いは益々薄れるかもしれない。
そして「逆チョコ」のような発想のものは益々男性から敬遠されていくことだろう。
そもそもチョコって
クールラフィネ3BH ショコラドボヌール4B
ゴーフレール4B コウベピアー カデット5B
男性の皆さん、何のことだがお解りだろうか?
海外物のエンピツの芯のことではない。
実はこれは、人気バレンタインチョコの名前である。
(楽天市場人気ランキングベスト10より抜粋)
解る筈もない。
恋愛にうるさい恋タメ編集部の男性も誰一人として答えられなかったぐらいだ。
業界関係者を除いて全部わかる男性はどれほどいることだろうか。
こういう事柄を見ても、本当にバレンタインデーが男性の好みを考えて(意外にベタなチョコが多いかも) 女性が選んで贈る愛情の伝達イベント ではなく女性達が(カップルや本命除く) 好きな食べたいものを、友だちに贈ったり(多分一緒に食べるため)、あるいは単に日頃の感謝など人間関係を気にして配ったりする行為になっていることは間違いない。
バックやアクセサリーなど男性から女性への贈り物は、必ず欲しいもの人気ランキングがあったりして、贈る側の男性に勉強させるのだが、男性にはチョコ一つとっても何が欲しいかな等のアンケート調査すら無い。
まさに女性による女性の為の日であると言える。
ではどうすれば
上記のような現状で行けば、貰わない男性の方が圧倒的に多いだろうと考えられる。
現代のように恋愛至上主義が崩れ価値観が多様化する世にあっては、例え義理でも面倒で贈らない女性が増えてきていてもおかしくない。
したがって、チョコを貰わなかったことで、「オレはモテない」「気にされてない」などと悲観することは全くないのである。
“恋人同士や真剣に告白したい者同士で、仲良くやってください”“女性同士で食べる目的で贈りあって下さい”と言う感じだ。
しかし、予期せぬこともある。
そう、もしチョコを貰うことがあったら………
少なくとも相手の女性は、日ごろの感謝とは言え、自分のことを念頭に置いて、わざわざ用意してくれたわけである。(多数の男性の中の一人であっても)
その相手が例え、仲良い女友達や、会社・バイト先のメンバーや、単なる知り合いの女性だったとしてもそして、そのチョコが例え義理だろうと、ついでだろうと、そこらのコンビニ仕様だろうと、もらった男は、やはり「わざわざ用意してくれて、ありがとう」のお礼のひとことを言うべきであると思う。
もし仕事の机の上にポツンと置かれていて、送り主の名前が書いてなくても、周囲を全部つかまえてでも、誰がくれたのか確認してその女性にちゃんとひとことお礼を言うべきであると思う。
恋愛から人間関係の潤滑油と変わりつつあるバレンタインチョコ。
恋愛に発展しなくとも、自分のことも念頭に入れて、相手が選んで買ったと言う事実・行為に対して、感謝の意をはっきりと伝えること。
それが大人の男性であり、男性側から相手の女性に向けた「人間関係の潤滑油」でもあるからだ。